“推し”の猫を持ち歩きたい
世界にひとつのスマホケース
飼い主さんがこしらえたお気に入りの洋服を着て、カメラに向かってすました顔で微笑む猫ちゃんの名は、マリリン。 そんなマリリンの隣に写っているのは、飼い主さんのために特別につくられた、オリジナルのスマートフォンケースです。
年齢・性別問わず、日々の暮らしになくてはならないモノのひとつとして挙げられるスマートフォン(以下、スマホ)。 スマホの本体は自分の好みに合うブランドを選べているとして、実際どのくらいの人が心から欲しいと思えるデザインのスマホケースを携帯できているのでしょうか? 量販店やネットショップで売っている限られたものしか選択肢がなくて、とりあえずスマホを傷付けないようにケースを購入しているという人がほとんどでは?
猫ファンの心をくすぐるお気に入りのスマホケースがあれば…。そう考えた時に真っ先に思い浮かんだのは、いつも心を癒してくれる我が家の猫ちゃんの存在。 スマホケースにデザインされた猫ちゃんの顔を見ていると、日中離れていても、猫の手も借りたい仕事も、より一層がんばれる気がする! ここでは、マリリンの飼い主さんがどのようにオリジナルのスマホケースをつくることになったのか、ご紹介していきたいと思います。
スマートフォンケースプリント
注文から完成までの流れ
1.ご注文 〈ご相談〉
まずは、こちらの「スマートフォンケースプリント」ページから、ご注文ください。詳細をご記入いただけるメールが、『社会就労センターかもな』から届きます。
2.機種・デザインなどの相談
お手持ちのスマートフォンの機種名・型番などをお知らせください。また、どのようなデザインにしたいかご相談ください。
3.写真・イラストの受取
写真やイラストなどのデータを、『社会就労センターかもな』へお送りください。
4.デザイン作成
『社会就労センターかもな』にてお送りいただいたデータをパソコンに取り込み、デザインを作成した後にご提案します。(データ修正は2回まで)
5.確認
お客さまに最終データを確認いただき、最新のUVプリンターを使って制作へと進みます。
※UVプリンターとは、紫外線で硬化する「UVインク」を使用したプリンターです。皮やプラスチック製品などにインクを付着させ、内蔵された照射装置で紫外線を当ててインクを定着させます。
6.送付
オリジナルのスマートフォンケースが完成したら、ゆうパックにてご自宅まで送付します。
ものづくりの現場紹介
社会就労センターかもな
スマートフォンケースプリントを行っている『社会就労センターかもな』を訪ねました。 眉山の麓にある『社会就労センターかもな』は、働く意欲と能力を持ちながら、障がいのために、一般の企業に雇用されることが困難な人たちが利用し、 必要な訓練と働く機会と場所を得て作業訓練費により自活すること、そして、将来の職業自立を目指すことを目的として開設された事業所です。 名刺やパンフレットの印刷を行う印刷科、パンをつくるベーカリー科、自動車部品の組み立てなど委託の簡易作業をする軽作業科、 フェルト人形やアクセサリーなどの雑貨をつくるレザークラフト科、表装科があります。
開設当初から活版印刷にて印刷業務に携わってきた印刷科で、今回紹介するスマートフォンケースプリント事業を担当しています。 インターネットの普及やデジタル化の流れもあり、紙媒体の商品が減少してきており、利用者さんの工賃向上を目指すべく新たに取り入れたそうです。
このスマートフォンケースプリント事業を行うにあたり、3つの大きな出来事がありました。まずひとつ目は、徳島に本店を置き、 スマートフォン修理やアクセサリー販売を行う「スマホ堂」の社員の方々から、この事業について『社会就労センターかもな』 でやってみてはどうかと提案していただいたこと。ふたつ目は、「社会福祉法人清水基金」への助成事業申請が通り、最新のUVプリンターを導入できたこと。 そして最後は、UVプリンター導入後に、「スマホ堂」のみなさんが自社のノウハウ提供や機械の操作研修、仕入れまで、 すべてにおいて協力していただいていることです。
まだはじまったばかりのスマートフォンケースプリント事業は、主に利用者の安村明子さんがパソコンを使った編集・デザインを担当し、 支援員の篠塚亮太さんがお客さまとのやりとりや安村さんのサポートを担当しています。『社会就労センターかもな』で働きはじめて20年になる安村さんに、 普段の仕事で難しいことや楽しいこと、こだわっていることについて尋ねたところ、「お客さまに満足いただける商品をつくれているか、 希望のデザインのとおりになっているかなど、常に考えて作業をしています。自分が編集した商品がお客さまに届くことが何よりの楽しみです。 こだわりは、丁寧な作業をすることです。」と答えてくれました。
支援員の篠塚さんから見た安村さんについてお聞きしたところ、「いつも笑顔で周りにいる人も和やかな気持ちにしてくれます。 オシャレが好きな方でいつも素敵な洋服を着ていますね。また、自分の障がいと向き合いながら生活する中で、毎日作業に参加するということは 素晴らしいことだと思っています。はじめは難しかった仕事も失敗を繰り返すことで成長し、昨年よりもできることを増やしたいという意欲を持っています。 安村さんはもちろんのこと、他の利用者さんにも『やりがい』や『楽しみ』を見つけてもらいたいと感じています。」と。そばにいた安村さんは、 篠塚さんを見てにっこり笑ってくれました。
最後に、安村さんからメッセージをいただきました。「私たちは施設でひとつひとつ丁寧につくることを心がけ、お客さまに喜んでいただける商品を 目指しています。まだまだ新しく取り組んでいる作業なので難しいところもありますが、お客さまの『ありがとう』の言葉が私たちの日々のエネルギー になります。今後ともよろしくお願いします。」
『社会就労センターかもな』でなら、“とりあえず”を卒業して、世界にたったひとつの、それも“心から欲しい”と思えるスマホケースを 簡単につくることができます。 そして同時に、それを購入することで、障がいのある人たちの「働きたい」気持ちを知って、支えていくことも叶えられるんです。
手持ちのスマホの型番に合わせて自由にレイアウトやデザインできるから、いつも心を癒してくれるペットの他に、 愛するお子さんやお孫さん、自分で生み出したキャラクター、そして、お子さんが描いたイラストなどバリエーションは無限に広がります。 例えば、恋人や友人と、また家族やチームメイトと同じデザインのスマホケースを持つことだって可能に。 とっておきの“推し”を持ち歩けるオリジナルスマホケースをぜひ、つくってみてはいかがでしょうか。
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